
岸田 友恵
PROFILE
現在帯広市でテイクアウト専門店(MOGMOG&)やイベント&マネジメント会社(十勝plus LLC.)、株式会社MXを経営。北海道6次化サポートセンターの地域プランナーも務める。
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2020年、500kgのかぼちゃが廃棄されると知り「もったいない」の一心で加工に挑みました。現場で目にしたのは、形や流通の都合で捨てられる大量の食材。その現実に衝撃を受け、「必ず変えたい」と決意。2023年「とかちイノベーションプログラム」に参加し、株式会社MXを設立。“もったいないトランスフォーメーション”は価値を再び光らせ新しい姿へ再生させる意志を込めています。社名には原点と未来への挑戦、支えてくださった方々への感謝を重ねました。食材に新しい命を吹き込み、生産者の諦めを希望に変え、十勝から全国へフードロスに立ち向かう挑戦を続けています。
実績
仕事について
北海道十勝で「もったいない」を価値に変える食品加工事業を展開しています。規格外や流通の都合で市場に出せず廃棄されてしまう農産物・海産物等を原料に、スープ、スイーツ、惣菜、ペースト、パウダー、ペットフードなど幅広い商品を製造しており、現在その数は115品目にのぼります。
特に力を入れているのが野菜パウダーの製造です。当初は「野菜を乾燥させ粉にすれば簡単にできる」と考えていましたが、実際には土壌菌を抑える工程、安全性の担保、色や風味の維持といった難しい課題がありました。そこで酪農学園大学と共同研究を重ね、従来にはない高品質な製造方法を確立。安全で鮮やかな色味と豊かな風味を持つパウダーの開発に成功しました。
さらに地域連携にも注力しています。十勝管内5校の高校と協力し、学生と一緒に規格外食材を使った商品開発や販売を実施。次世代にフードロスの現状を伝えながら、新しい商品や販売の仕組みを創り出す教育的な取り組みとしても広がりを見せています。こうした活動は単なる商品開発にとどまらず、地域の若い世代に「食と農の未来を考えるきっかけ」を与えています。
事業の広がりとしては、ふるさと納税の返礼品への採用や、ご年配向けの嚥下食の開発にも取り組んでいます。規格外食材を活かした商品が、地域経済や医療・福祉の現場でも役立つことで、新たな価値の循環をつくり出しています。
フードロスのうち、実際に「見えている」のは全体の20%程度にすぎないと言われています。私たちの取り組みはその1%にも満たない小さなものかもしれません。それでも「かぼちゃ1個」「小豆ひと粒」を大切に扱い、捨てられるはずだった命に新しい光を当てること。その積み重ねが、やがて大きな未来を変える力になると信じています。
株式会社MXは、農家、生産者、学生、大学、自治体と連携しながら、十勝から全国へ、そして未来の世代へとつながる「もったいないトランスフォーメーション」を実現してまいります。
所在地 | 北海道帯広市 |
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